メンバー
研究代表者
広島大学・大学院理学研究科・教授 井上克也(研究計画統括、設計・合成)
研究分担者
首都大学東京・理工学研究科・教授 菊地耕一(構造解析・特殊環境下構造解析)
九州工業大学・工学研究院・准教授 岸根順一郎(磁気物性理論全般)
青山学院大学・理工学部・教授 秋光純(偏極中性子線回折・無機合成)
九州工業大学・工学研究院・准教授 美籐正樹(磁気構造解析)
研究の目的
2006年度より、申請者を中心とする化学・物理研究者の連携によって基盤研究A「結晶と磁性のchirality」を実施した。マクロスケールで発現する結晶のchiralityと磁性のchirality の関連を、有機・無機に渡って総合的かつ系統的に調べ、chiral 構造特有の結晶異方性がもたらす結晶chirality(chiral 電場)、磁気chirality(chiralスピン構造)、弾性chirality(chiral応力場)の結合が重要かつ未開拓であることを明らかにした。本研究では、結晶構造、含まれるイオンの磁気異方性、配位子の非対称電場を系統的にかつ集中して制御することにより、より効果が顕著に現れるChiral磁性体の設計指針を 確立しChiral磁性、マルチフェロイック研究を飛躍的に進展させる基礎的知見を得る。
(1) 結晶・磁気chirality の定量化:磁気異方性、結晶構造の異なるChiral反強磁
性体を多数作成し、粉末状態での磁気測定を行うことによってスクリーニングを行い、単結晶による磁気測定、加圧効果測定を行うことによってDM相互作用におよぼす効果を系統的に明らかにする。また、結晶の磁気chiralityを検出できる偏極中性子線回折とナノスケールでの磁気および結晶chiralityを検出できる
放射光円偏光X線回折を併用することにより、結晶chiralityと磁気chiralityの関係を定量化する。
(2) 分子性・無機 Chiral磁性体の物質設計・制御戦略の確立:以下の順番で明らかにしてゆく。
1. Chiral磁性体の磁気相図
2.DM相互作用におよぼす磁気異方性の効果
3.DM相互作用におよぼす 配位子のChirality(空間電子分布の非対称度)、結晶空
間群の効果
4.DM相互作用と競合する磁気交換、双極子相互作用と Chiral磁気構造の関係
これらを明らかにすることにより、Chiral磁性体の構築に用いる金属イオン、配位子、空間群のChiral磁気構造への寄与の全貌が明らかになり、設計指針が確立できる。この知見はそのまま無機Chiral磁性体やマルチフェロイックスにも適用可能な情報となる。
ニュース
2011.09.26 「現代化学」2011年10月号にメンバー(九州工大 岸根順一郎准教授)のキラル磁性体における気抵抗の理論の解説記事が載りました。
2011.06.27 世界初!新しいタイプの巨大磁気抵抗効果を理論的に発見!
詳細情報
2010年度申請書
2010年度報告書
2011年度申請書
キラルグループmeetingを行いました(2011.9.20)
第3回基盤研究A研究会を行いました(2012.7.17,18)
◎キラルグループmeeting
日時:9月20日(火)16:00-23:00
場所:
東横イン富山駅前
会議室(16名収容)
議題:
*Cr1/3NbS2の磁気抵抗をめぐる話題50分程度
最終日の講演予行(戸川、高阪、岸根)
バンドについて(岸根)
*MnPの相図をめぐる話題(矢野、戸川)40分程度
*FeGeをめぐる話題(井上)20分程度
*ミュオンでできそうなこと30分程度
*その他もろもろ30分程度
参加者(敬称略、順不同):
秋光純
秋光正子(一部)
井上克也
大石一城
小口多美夫
獅子堂達也
高阪勇輔
小山司
戸川欣彦
鳥養映子
美藤正樹
森茂生
矢野真一郎
岸根順一郎
キラルグループmeetingの様子
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第3回基盤研究A研究会「カイラル磁性研究の現状と展望」
日時:2012年7月17日〜18日
会場:九州工業大学戸畑キャンパス117号室
プログラム
7月17日
13:00〜14:00 井上克也(広島大理)「合成研究の立場らから」
14:00〜15:00 戸川欣彦(大阪府大)「実験研究次の一手」
15:00〜15:30 休憩
15:30〜16:30 岸根順一郎(放送大学)「理論研究次の一手」
16:30〜17:30 Nikola Baranov(ウラル連邦大学) 「カイラル磁性体のESRと磁気ダイナミクス」
17:30〜18:30 Nuno Silva(サラゴサ大学) 「磁性ナノ粒子と中性子回折実験」
7月18日
10:00〜11:00 長野琢磨(九工大)「分子性キラル磁性体のESRスペクトル解析」
11:00〜12:00 全体討論
主催:
科研費基盤研究A「キラル磁性体の合成戦略の確立」研究代表者:井上克也(広島大学理学研究科教授)
参加者(敬称略、順不同):
井上克也(研究代表者)
岸根順一郎(分担者、放送大学)
美藤正樹(分担者)
戸川欣彦(分担者)
Prof. Nikolai Baranov(ロシア ウラル州立大学)
Prof. Dr. Jorge Hernandez-Velasco (Instituto de Ciencia de Materiales
de Madrid, Consejo Superior de Investigaciones Cientificas)
Dr. Nuno Silva
長野琢磨(九工大工学研究科博士前期課程2年)
松井英明(九工大工学研究科博士前期課程1年)
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